04/17/2026 | Press release | Distributed by Public on 04/16/2026 19:27
PicoCELA株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:古川 浩、以下「PicoCELA」)は、2026年4月5日、福岡県直方市の遠賀川河川敷公園で開催された「のおがたチューリップフェア」において、スズキ株式会社(以下「スズキ」)の多目的電動台車「MITRA」等と連携した「動く基地局」による広域Wi-Fi網構築の実証実験を実施しました。
本実験では、流動的に遮蔽状況が変化する屋外臨時駐車場において、広域Wi-Fi網とエッジAIカメラを連携させた車両管理ソリューションを運用。その結果、周辺道路の渋滞を解消し、駐車件数が前年比約111%に増加するなど、地域課題の解決と経済性の向上を実証しました。
今年で30回目を迎えた直方市の春の風物詩「のおがたチューリップフェア」
「のおがたチューリップフェア」では例年、駐車場入口での支払いに伴う車両停滞が原因で、周辺道路に大規模な渋滞が発生。地域住民の移動阻害や環境負荷の増大が長年の課題となっていました。これに対し、屋外の広大な臨時駐車場では固定の通信インフラが乏しく、リアルタイムでの車両管理や高度な 決済ソリューションの導入が困難な状況にありました。
今回の実験では、スズキの電動台車「MITRA」にPicoCELAの無線メッシュ基地局を搭載。さらにKiQ Robotics株式会社の電動昇降ポール技術を組み合わせることで、状況に応じて最適な高さ・位置へ移動可能な「動く基地局」を構築しました。
| 直方市 | 実証フィールドの提供、地域課題の抽出 |
| PicoCELA | 独自の無線メッシュ技術による広域Wi-Fi環境の構築 |
| スズキ | 多目的電動台車「MITRA」の提供、移動体運用の検証 |
| KiQ Robotics | 電動ポールによる基地局昇降技術およびシステム統合 |
| アシストユウ | エッジAIカメラを活用した車両認識・管理ソリューションの提供 |
AIカメラ搭載モビリティ。アドホックな環境でも状況に合わせて移動し、安定したカメラデータの伝送を実現。
伸縮ポール型モビリティ。通信の遮蔽状況に応じ、高さ・位置を自在に移動可能。
今回の実証実験では、以下の定量・定性的な成果を確認しました。
渋滞ゼロの実現:実証実験を行った駐車場(以下、当該駐車場)では、入り口を先頭とした渋滞が発生しませんでした。一方、本取り組みを実施していない他の駐車場では入場まで最大約30分の渋滞が発生した時間帯もありました。
駐車件数111%・歳入増加:スムーズな誘導により駐車件数は前年比約111%を記録。混雑緩和に伴い急遽開放した芝生エリアの活用も加わり、市の歳入増加に寄与しました。
クローズド環境での運用:本実験では、外部インターネットを一切介さないローカルネットワーク内でのデータ処理を実現しました。
情報流出リスクの遮断:来場者の車両データ等をクラウドに送信せず、現場のエッジ側で処理を完結。
外部からのサイバー攻撃や情報流出のリスクを技術的に排除しました。個人情報保護を最優先とする自治体や公共イベントにおいて、極めて安全性の高い運用が可能であることを実証しました。
安定したネットワーク維持:4mの昇降ポールを備える「MITRA」に基地局を搭載。可動式であることを活かし、電波状況に応じて最適な位置へ移動することで、数百メートル四方の広大なエリアを安定してカバーしました。
不感地帯の解消:流動的に変化する屋外の遮蔽状況に即応し、高精細なカメラデータの伝送を途切れることなく継続しました。
PicoCELAは、今回の実証で得られた知見をもとに、イベント会場や災害現場など、迅速かつ流動的な通信環境構築が求められる現場へのソリューション展開を加速させます。また、直方市との「防災DX」における連携(2026年2月のSona-L™寄贈)に加え、本件のような「観光・交通DX」の両輪で、地域課題の解決に貢献してまいります。
「今回の共同実証を通じて、無線メッシュ技術がモビリティと融合することで、通信インフラを自在に再配置できる『動くインフラ』としての実効性を証明できました。渋滞解消や収益向上といった具体的な成果は、今後のスマートシティ展開において重要な指標となります。直方市様における先行モデルを起点に、全国の自治体やイベント会場が抱える課題解決に貢献してまいります。」