統合型の航空気象サービス「SkyAviators」のグローバル提供を開始

航空業界の複雑な運航管理業務を効率化する高度な予測・分析サービス

統合型の航空気象サービス「SkyAviators」のグローバル提供を開始

世界3,500空港の気象リスクを自動検知、予測適中率の可視化で運航判断の根拠を提示

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株式会社ウェザーニューズ（本社：千葉市美浜区、代表取締役社長：石橋 知博）は、航空業界の安全運航と航空会社の飛行計画策定の効率化を支援するため、統合型の航空気象サービス「SkyAviators」のグローバルにおける提供を開始しました。 「SkyAviators」は、運航に必要な気象データ、気象コンテンツを一元化し、運航の可否判断を客観的なデータから迷いなく行えることを目的とした統合型の航空気象サービスです。
コロナ禍からの航空需要の回復に伴い、飛行計画を担う航空会社の運航管理者と気象班はベテラン・若手間における経験の差や情報・業務量の急増による運航体制の維持・強化が課題となっています。「SkyAviators」は、運航に必要な気象データとコンテンツをシームレスに確認でき、運航の可否判断を経験の差がなく行える共通の航空気象情報基盤を提供することで、航空業界をサポートします。
「SkyAviators」では、気象モデルの予測精度を比較・確認ができる機能を搭載しました。これは当社独自の技術で、どの気象モデルがその期間にどれだけ精度が良かったのかを空港ごとに可視化しています。各気象モデルで見解が分かれる判断の難しい気象状況下においても、客観的なデータをもとにした運航判断が可能となります。さらに、世界3,500以上の空港の中から気象リスクを自動で検知・集約し、即座に確認できるサマリーとして提示します。風速や視程、雲底高度の閾値を超えるリスクのある空港を即座に特定できるため、空港実況監視だけでなく、該当空港を発着する便への迅速な対応も可能となり、オペレーション全体の効率を高めます。
当社が40年間お客様と共に築き上げてきた航空気象の専門知見を形にした「SkyAviators」は、気象情報の深い理解と迅速な意思決定を支援します。経験の差を越えた判断の平準化と効率化を実現することで、航空業界全体の安全かつ持続可能な運航体制を支えてまいります。

「SkyAviators」開発の背景

当社はこれまで40年にわたり、航空気象サービスを提供し、お客様の課題解決をおこなってきました。航空業界ではコロナ禍の需要減少に伴う雇用縮小の影響が残り、航空会社における運航管理者や気象班のベテラン層と若手層の経験や気象へのリテラシーのギャップ拡大が顕在化しています。また、旅客需要が急回復した結果、運航判断に必要な知見の獲得や扱う情報の複雑化・業務量が急増しており、運航業務を安定的に供給しつつ、需要回復のスピードに見合った体制とスキルを維持・強化していくことが、新たな課題となっています。こうした環境下で、ベテラン層から若手層まで、経験に左右されない運航に必要な判断を下せる体制作りが、航空業界全体の重要なテーマとなっています。
こうした背景のもと当社は、航空会社が同一の気象データやコンテンツを共有し、根拠に基づいた運航判断を下せるよう、共通の航空気象情報基盤として「SkyAviators」を開発しました。

航空業界の安全運航と業務効率化を支える「SkyAviators」

「SkyAviators」は、当社の気象データベースを活用し、航空会社の運航管理における意思決定をサポートする統合型の航空気象サービスです。従来の運航管理業務では、複数の空港や飛行経路にまたがる気象情報や予測などを、多種多様な情報源から個別に収集・監視する必要がありました。 「SkyAviators」は、世界各地の空港のMETAR (定時飛行場実況気象通報式)やTAF（飛行場予報気象通報式）が確認できることはもちろん衛星画像やレーダー、ライブカメラ、雷、台風、火山灰、乱気流、高度別の気象情報といった航空特有の膨大でグローバルなデータをシームレスに確認できます。また、複数の気象モデルを同一画面で比較でき、多角的な視点から情報の把握ができるため、情報収集と分析作業を大幅に効率化します。
これらにより、潜在的な気象リスクを迅速かつ正確に把握し、効率的で精度の高い運航判断を実現することが可能となります。

運航可否を客観的な情報で判断するための気象モデル評価

「SkyAviators」は、運航に関わる人々が運航の可否判断を正しい情報と根拠に基づいて行うことを重視しています。そのため、TAFやECMWF（欧州中期予報センター）、GFS（米国気象局モデル）、当社独自の気象モデルなどの予測精度を評価し、その期間のうちTAFや気象モデルがどれだけ精度が良いのかを空港ごとに適中率を可視化しています。TAFと気象モデルで見解が分かれる、判断の難しい気象状況下においても、気象モデル評価を参考にした明確な運航判断を可能にし、意思決定の質を高めます。

業務の効率化を高める空港の気象リスク自動検知

世界3,500以上の空港の中から、天気や風速、視程、雲底高度などの閾値を超えるリスクのある空港をリアルタイムで自動抽出します。気象リスクのある空港はサマリーとして画面に提示されるため、膨大な監視対象の中から注視すべき空港を即座に特定することが可能です。これにより監視対象の見落としリスクを減らし、グローバル規模での運航監視の効率化に貢献します。

今後は「SkyAviators」に航空機の安全運航に不可欠なリアルタイムの機体動揺のデータを実装することで、気象情報と実際の運航状況を統合したより高度な分析・予測サービスの提供を予定しています。さらに運航判断のための気象リスク解析をサポートするAIエージェントの搭載も予定しています。AIエージェントは、膨大な気象モデルや実況データの中から、安全性を考慮した最適航路の推薦を行うほか、「特定空港の今後2時間の天候悪化リスクは？」といった具体的な問いに対しても、客観的な根拠に基づいた回答を即座に提示します。 これにより迅速な意思決定をサポートします。
「SkyAviators」の機能を充実化させ、気象班や運航管理者にとどまらず、パイロット・キャビンクルー・整備士・ステーションコントロール・グランドスタッフ・空港職員など、立場や役割を超えて組織全体での気象リテラシー向上を支援することで、航空業界の安全性と運航品質の向上に貢献してまいります。

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