WFP - World Food Programme

09/10/2025 | Press release | Archived content

報告:学校給食プログラムを受けた子どもが世界で8,000万人増加

Photo: WFP/Alexis Masciarelli. students aged 5 to 7 eat a hot meal in their classroom in the primary school Baptiste Salem in Dondon, where 600 children are registered. Meals are preparing daily with rice and beans food purchased from local producers through WFP Home-Grown School Feeding programme.
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WFP(世界食料計画)の新たな報告によると、国内の学校給食プログラムを通じて食事をした子どもの数が、わずか4年間で20%増加しました。各国政府が子どもたちの福祉を優先する動きが、世界的に拡大しています。

【ローマ】WFPが2年に1回発表している報告書「世界の学校給食の現状」によると、2020年以降、政府主導の学校給食プログラムを通じて食事をした子どもが新たに約8,000万人増加し、世界全体で少なくとも4億6,600万人に達しました(20%増)。

特に支援が最も必要とされる地域で進展が見られ、低所得国では過去2年間で給食を受ける子どもの数が60%増加。アフリカがこの拡大を牽引しており、ケニア、マダガスカル、エチオピア、ルワンダなどで顕著な進展があり、2,000万人以上の子どもが新たに給食支援を受けています。

この成功は、各国政府の主導の賜物です。学校給食プログラムを通じて子どもの福祉を支えるだけでなく、小規模農家や地域の雇用に広く恩恵をもたらし、環境に優しい食生活の促進や炭素排出の削減にもつながるという確かな証拠が、取り組みを後押ししています。

「学校給食は、栄養価の高い食事というだけではありません。支援を受ける脆弱な子どもたちにとっては貧困から抜け出し、学びと可能性の世界へと踏み出す道なのです」とWFPのシンディ・マケイン事務局長は述べています。「特に低・中所得国の政府は、学校給食プログラムを優先することで、真のリーダーシップを示しています。このプログラムは、将来の健康や教育、経済的繁栄を高めるために、最も賢明で費用対効果の高い投資のひとつであることが証明されています。WFPは学校給食の活性化や食料と教育システムの強化を目的とした『学校給食コアリッション』を通じて築いたパートナーシップに感謝するとともに、さらに多くの政府がこの世界的な取り組みに参加することを期待しています」

投資は4年間で2倍に

報告書によると、世界の学校給食への資金は2020年の430億米ドルから2024年には840億米ドルへと倍増し、そのうち99%が各国の予算から拠出されています。これは学校給食が「支援」ではなく、国家の発展を促す強力な公共政策として位置づけられていることを示しています。一方で、低所得国では資金が依然として限られており、最も支援が必要な地域ほど資源が不足しています。

学校給食プログラムの拡大は、学校給食コアリションに加盟する国々で最も急速に進んでいます。コアリッションは100か国以上の政府と6つの地域機関によって主導されており、140以上のパートナーが支援しています。新たに給食支援を受ける子どものうち、3分の2は加盟国に集中しており、報告書ではこの連携が「現代的な多国間主義のモデル」として評価されています。2020年以降、国家レベルで学校給食政策を持つ国の数は56か国から107か国へとほぼ倍増しました。

「各国政府は子どもと地域社会への投資を通じて、真のリーダーシップを発揮しています」と、WFPの学校給食・社会保障部門長で学校給食コアリション事務局長を務めるカルメン・ブルバーノ氏は話します。コアリションはブラジル、フィンランド、フランスが議長国を務め、WFPが事務局を担当しています。「国家予算による学校給食プログラムの急増は、困難な状況下でも何が可能かを示す力強い証です。しかし、最もニーズが高い低所得国では、国際支援の変化や国内の資金不足により、進展が危機にさらされています。」

この報告書は、9月18〜19日にブラジルで開催される第2回学校給食コアリション・グローバル・サミットの直前に発表されました。各国のリーダーが進捗を確認し、さらなる行動を促す場となります。

学校給食は「学習危機」に対処する力を持つ

今回の報告書で発表された新たな研究結果により、学校給食が子どもの学習能力や認知スキルを高め、数学や識字能力の向上に寄与することが示されました。これまで、学校給食が就学率や継続率を高める効果については強い根拠がありましたが、今回の新たな研究分野では、教育の質を改善するうえでも非常に費用対効果の高い手段であることが明らかになっています。従来の教育介入(教員研修やICT導入)を上回る成果を示すケースもあるとされています。

人と地球のための前進
教育分野を超えて、報告書は学校給食プログラムがもたらす幅広い分野への影響を強調しています:

  • 世界最大の社会的セーフティネット
    学校給食は、気候変動、パンデミック、紛争などのショックに対する緩衝材となり、最も脆弱な子どもたちに支援を届ける仕組みとして機能しています。
  • 費用対効果の高い投資
    教育、保健、社会的保護、農業など複数分野に波及効果があり、1ドルの投資で7〜35ドルの経済的利益を生み出すとされています。
  • 地域雇用の創出エンジン
    4億6,600万人の子どもに給食を届けることで、世界で推定740万件の調理関連の雇用が生まれ、物流・農業・供給チェーンにも広く雇用効果が波及しています。
  • 持続可能な食のモデル
    地元産の食材を活用する地産地消型のモデルは、健康的で環境に優しい食生活を促進し、地域経済の活性化にもつながります。
  • ジェンダー面での恩恵
    教育・健康面での効果は女子により顕著であり、女性の経済的エンパワーメントにも貢献。学校給食の調理担当など、地域に根ざした雇用機会が女性の役割拡大につながっています。

WFPの変革的な役割
報告書では、学校給食分野におけるWFPのリーダーシップが詳しく紹介されています。これは、国連の食料支援機関として、各国の能力強化とレジリエンス構築を支える長期的かつ変革的な取り組みの一例です。

現在、WFPは各国政府の支援を通じて1億3,900万人の子どもに学校給食を届けており、そのうち2,100万人には直接給食を提供しています。さらに、ハイチなどの緊急支援現場で培った運用ノウハウを活かし、各国の制度強化を支援しています。

たとえばアルメニア、ベナン、イラクでは、WFPがプログラム提供を担っていた学校給食事業が、完全に国家主導へと移行するプロセスを後押ししました。

編集者向け注記:
世界各地の学校給食プログラムに関する高解像度写真および放送品質の映像素材をご利用いただけます:

  • 学校給食の現場を捉えた高精細な写真パッケージ
  • 報道・編集用に使用可能な放送品質の映像素材

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世界食糧計画(WFP) は世界最大の人道支援機関であり、緊急時には命を救い、食料支援を通じて人々が紛争、災害、気候変動の影響から立ち直るための平和と安定、繁栄への道を築いています。

学校給食コアリッションは、100以上の政府、6つの地域機関、140以上のパートナーからなるネットワークです。 この連合は、すべての子どもが2030年までに学校で健康的で栄養価の高い食事を受けられるように、学校給食プログラムの改善と拡充を緊急に推進するための活動を行っています。

WFP - World Food Programme published this content on September 10, 2025, and is solely responsible for the information contained herein. Distributed via Public Technologies (PUBT), unedited and unaltered, on September 19, 2025 at 02:39 UTC. If you believe the information included in the content is inaccurate or outdated and requires editing or removal, please contact us at [email protected]